別記事のように、ReadyNas Ultra2 のiSCSIターゲット機能を使って、esxiのデータストアを構築しました。ReadyNasではiSCSI領域のバックアップはLUN単位でディスクイメージ(1個のファイル)として取られます。バックアップを行わないわけにはいかないので、ディスクイメージだとしてもバックアップはします。
しかし、ReadyNas Ultra2の管理画面(FrontView)ではリストア方法が良くわからりません。今回その手順を調べてみたのでまとめておきます。以下に関連する環境を書いておきます。
- NetGear ReadyNas Ultra2
- VMware esxi 4.0 U4
バックアップ手順
バックアップは普通の方法で行います。一応、今回試したバックアップ手順をまとめておきます。
- 管理画面から『バックアップ』→『新規バックアップジョブ』を選択します
- バックアップ元として、iSCSIターゲット・LUNを指定します
- バックアップ先として、USB接続HDDを指定します
- バックアップスケジュールを解除します
- 常にフルバックアップするようにします
適当なタイミングで、手動でバックアップジョブを実行します。問題なくバックアップジョブが終了するとバックアップ先にLUNの容量分の巨大ファイルが作成されます。
複数のiSCSIターゲットやLUN領域を同じバックアップ先フォルダに保存することもできます(ターゲット名、lunがファイル名に付加されています)。
リストア手順
Netgearのサポートに問い合わせてみたら、バックアップジョブの指定を使うとリストアができるそうです。今回試した手順をまとめておきます。
- 管理画面から『バックアップ』→『新規バックアップジョブ』を選択します
- バックアップ元として、LUNを保存した、USB接続HDDを指定します
- バックアップ先として、『iSCSI ボリューム:c』 を指定します
- バックアップスケジュールを解除します
- 常にフルバックアップするようにします
適当なタイミングで、手動でこのバックアップジョブを実行するとリストアできます。ReadyNasでは、iSCSI領域は、/c/.iscsi にファイルとして存在しており、このバックアップジョブ実行によりファイルを書き戻す処理をしているようです。
リストア時の振る舞いとして、
- リストア先のiSCSIターゲット・LUNが存在している場合(同ターゲット名、かつ同LUNにたいして同容量、再作成した場合を想定)
- リストア先のiSCSIターゲット・LUNが存在していない場合(iSCSI設定がなにもない状態を想定)
のどちらの場合も、リストア処理終了後はiSCSI領域が正しく認識されました。
ただし、下記のケースは確認していません。
- 同名iSCSIターゲットがあり、異なる容量のLUNが既にあった場合
- バックアップフォルダ上に複数のiSCSIターゲット・LUNがあり、リストアする場合
試してないのでなんともいえませんが、上記の動作を見ていると、フォルダに複数のLUNデータがあれば、同時に戻す動作を行いそうに思えます。
esxiとの関連
上記のリストア時に、esxi側がどうなっていたのかを備忘録替わりにまとめておきます。
- (リストア前)esxi:iSCSIのLUNを指定してデータストアを作成
- esxi:データストア上に適当にフォルダを作成
- ReadyNas:iSCSI領域のバックアップ
- (リストアテストの準備)ReadyNas:iSCSIターゲットそのものを削除。この時esxi側ではなにもしません。
- (リストア)ReadyNas:リストア用バックアップジョブの実行
- esxi:データストアブラウザで問題なく認識(作成したフォルダが見えた)
また、リストアテストの準備のところを下記のように変更してケースも試しました。
- esxi上のiSCSIデータストアを削除
- ReadyNasのiSCSIターゲットを削除
- ReadyNasのiSCSIターゲットを再作成
- 再度esxi上のiSCSIデータストアを構築(この時点では、データストアブラウザに作成したフォルダは見えない)
その後、ReadyNasでリストアをすると、esxiで問題なく認識されました(データストアブラウザで作成したフォルダが見える)。
実は
iSCSIをいろいろ試していて、さて本格運用に入ろうかとしたとき、ReadyNasUltra側が原因不明で応答しなくなりました(まだ解決してません)。
再起動後、データストアには接続できたのですが、ちょうど起動していた仮想マシンがあったためか、きれいさっぱりなくなっていました。ディスク上のエントリあたりが壊れたんですかね。こんなこともあるんですね。
いずれにせよ、消えても差し支えないものだったんで助かったのですが、iSCSIでの運用は慎重にする必要がありそうです。