プログラマーのメモ書き

伊勢在住のプログラマーが気になることを気ままにメモったブログです

冬の湯沸かしとUPSについて

朝、仕事場でコーヒーを淹れるのですが、お湯を沸かすのにティファールの電気ケトルのスイッチを入れると、時々 UPS が反応してバッテリー駆動になることがあります。

で、この UPS には QNAP の NAS をつないでいるんですが、いままでは、 UPS のエラーが飛んできても、NAS がシャットダウンすることはありませんでした。

ですが、 ここ数日 NAS のシャットダウンまで進んでしまいます。

これが、結構、頻繁に起きるようになってきて、このままではコーヒーを飲むのに躊躇してしまうので対応策を考えてみました。

原因調査

現象を整理しておきます。

UPS の仕様

この仕事場には、2種類の UPS があります。

  • APC ES-550M1 (いまはシュナイダーエレクトリックですね)
  • OMRON BW55T

amazon のリンクも貼っておきます。

オムロン 無停電電源装置(常時商用給電/正弦波出力) 550VA/340W BW55T

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今回問題になっている、コーヒー淹れるときにバッテリー駆動になり、NASがシャットダウンする UPS は APC のものになります。ちなみに、 OMRON の UPS はバッテリー駆動に移行しません。

何が違うのだろうか?と思い仕様書を調べてみると、

UPS 入力電圧(下限) 備考
APC 90V 初期設定値、変更可能
OMRON 86±3V

となっており、初期設定のままだと APC のほうが、バッテリーに切り替わる電圧が高い(電圧低下に対して厳しい)ようです。

(参考)仕様書は下記で確認できます。

お湯を沸かしたときの電圧

OMRON の UPS には液晶ディスプレイがあり、そこにいろいろな情報を表示できるのですが、普段は UPS からの出力電圧を表示しています。

f:id:junichim:20210115133411j:plain

これは、このブログを書いている当日のものですが、98V ですね。

先日、NAS が落ちた際にこの電圧を見ていたら、

  • ティファールのスイッチを入れる前:94V
  • 入れた後:84V

となっていました。ずいぶんと下がってますね。

表示値は出力電圧なので、どこまで入力電圧と連動しているかはわかりませんが、これだけ下がっていると入力電圧も下がっていて、そのため、APC の UPS がバッテリー動作に移行しているんじゃないかと思われます。

NAS の設定

次に、シャットダウンしてしまう NAS の設定も確認します。

QNAP の NAS (TS-251+) の UPS 接続時の動作はマニュアルを見たほうが良いのですが、ざっくりいうと

  • UPS のバッテリー残量が15%以上あるときは
  • 指定した待機時間待って
  • シャットダウンする(または自動保護モードに移行する)

というものです。

設定値は、

  • 停電時にNASの電源を切る
  • 待機時間は5分(デフォルト値)

f:id:junichim:20210115150620p:plain

となっていました。

普段から UPS には通電しているので、バッテリー残量が15%を切っているというのはほぼないと思います。

一応、トラブル後、 UPS のバッテリー状態をみていますが、極端にバッテリーが弱っていて、バッテリー動作に切り替え後急激に残容量が減るというのもなさそうです。

お湯の沸くまでの時間

お湯が沸くまでの時間も計ってみます。満水(0.8リットル超)で約4分ってところでした。

ちなみに、ティファールの電気ケトルはこんな感じのやつです。

このリンク先の amazon のページにある宣伝文で、満水で約4分(水温・室温23度)とあるので、まあ、こんなもんなんでしょう。秒数まで計ってなかったですが、冬場なので水温は23度より低いでしょうから、5分未満ぐらいが実際かもしれません。

ということで、現在の NAS の待機時間設定は5分なので、シャットダウンすることは十分あり得ますね。

シャットダウンまでの流れ

いろいろ確認すると、こんな風になっているんじゃないかと推測できます。

  1. お湯を沸かす際に電源電圧が低下して
  2. それによりUPSがバッテリー動作になり
  3. 待機時間程度バッテリー動作が続くため
  4. NASがシャットダウンすることになる

という感じですね。

先日までこれが見られなかったのは、朝の水の温度(および外気温)が低くなかったため、お湯が沸くまでの時間が短くてすんでいた、ということじゃないかと思います。

対策

NAS がシャットダウンする原因がある程度推測できたので、お湯を沸かした際に NAS がシャットダウンしないようにする対策を検討してみます。

対策案1

APC の UPS のユーザーズマニュアルをよく読むと、この UPS は外部電源からバッテリーに切り替える際の入力電圧感度を変更できるようです。

ということで、設定を変更して、電圧感度の若干鈍感なほうに振ってみます。

  1. まずは、 UPS に接続されている機器の電源を切っておきます。
  2. 次に UPS をコンセントに接続したまま、 UPS の電源を切ります。 f:id:junichim:20210115145205j:plain
  3. 次に電源ボタンを10秒間押します。
  4. ブザー音がなったら、電源ボタンから手を放すと、電源ボタンが点滅しています。たぶん、これがマニュアルでいうところのプログラミングモードに入った状態のはずです。
  5. ここで、さらに電源ボタンを押すと、赤の点滅(デフォルトはこれ)→オレンジの点滅→緑の点滅→赤の点滅・・・と切り替わっていきます。
  6. 今回は一番感度を低くしたいので、緑の点滅になったところで、操作をやめます。
  7. しばらくすると、電源が切れて、プログラミングモードが終了します。
  8. あとは、通常通り電源を入れればOKです。

と文章で書くと簡単なのですが、実際やってみるとプログラミングモードになったかどうかがよくわからず、また電源ボタンを押しても感度が切り替わらずに、何度も繰り返すことになりました。

なんとなくですが、ブザーがなったら即座に電源ボタンを押すと、切替ができるような印象です(でも、確証はないです)。

もう少しわかりやすくならないもんでしょうかね? > APC さん

対策案2

仮に電圧低下があったとしても、待機時間が十分に長ければシャットダウンは回避できます。 NAS 上のモニターで UPS のバッテリー動作時間を見るとおおよそ10分超になっています。

f:id:junichim:20210115150729p:plain

ということで、待機時間をデフォルトの5分より長くしておくのもありかと思います。

対策案3

対策案2とも関連するのですが、要はお湯が沸くまでの時間が短くなればいいわけです。先日まで起きていなかったですからね。

ということで、水道が仕事場から少し離れていることもあり、いままではティファール目いっぱい(0.8リットル超)にお湯を沸かしていたのですが、これをやめます。で、水差しを用意して、飲みたいときに、飲む分だけ沸かすことにしました。

マグカップ一杯分の水量は正確にはわかりませんが、ティファールのメモリから推測して0.2~0.3リットルぐらいかと思われます。

この水量だと、スイッチを入れてから沸くまでの時間を計ると、おおよそ2分30秒前後です。

ということで、仮に UPS 動作になっても NAS がシャットダウンする前にバッテリー動作から復旧できそうです。

採用した対策案

今回は対策案1と対策案3を行うこととしました。NASのシャットダウン回避ということだけであれば、対策案2もあるかと思います。

ですが、

  • 元々 UPS のバッテリーでの駆動時間がそんなに長いわけではないこと
  • 1台の UPS に2台の NAS が接続されていること(モニターに表示されているバッテリーの駆動時間の半分が実際に設定可能な時間になります)

などから、対策案2を用いた場合に、今回のティファール問題以外の時にきちんとシャットダウンできなくなる恐れがでてきます。そちらのほうが問題になりそうなので今回は採用しませんでした。

おわりに

これで、仕事前のコーヒーを快適に淹れることができるようになりそうです。うまくできているかは、寒い日がやってこないとわからないのが難点ですね。

もし、問題がありそうなら、また考えたいと思います。

ということで、お湯を沸かすと UPS が作動する方は、ご参考にしてください。