プログラマーのメモ書き

伊勢在住のプログラマーが気になることを気ままにメモったブログです

労災保険に加入しました

去年、2021年11月8日の中日新聞の記事で、IT系のフリーランスも労災保険に入れることになったのを知りました(実際に読んだのは紙ですが、参考までにネットで見つけたのへのリンク張っておきます)。

自転車配達員、労災加入OK フリーの対象拡大、IT関連も:中日新聞Web

で、改めて、ネットを調べてみると、2021年9月から、労災保険の範囲が拡大して、IT関係の仕事をしている人も労災保険に入れることになったそうです。例えば、下記記事など。

ITフリーランス対象の国の労災保険「特別加入制度」がスタート 通勤や仕事でのケガ、病気など補償 - ITmedia NEWS

昔、独立したての頃は、『IT系のフリーランスは労災保険には入れない、入れるのは建設系などの一人親方だけ』、と思っていたので、時代は変わったんだなとしみじみと思いました。

ということで、早速加入手続きを行ったので、その際に気になった雑多な点についてメモっておきたいと思います。

あ、あくまでも制度に詳しくない私が調べてみたことで、内容に責任は持てませんので、自己責任でお読みください。正確なところが知りたければ、ご自分で社労士などの専門家に尋ねてください。

労災への加入

何があるかわからない世の中なので、早速入ってみました。

厚労省のITフリーランス向けの労災保険のパンフレット(PDFへのリンクです)を見ると、ITフリーランスの場合は、特別加入団体というのを通じて申請する必要があるそうです。

本記事を書いている時点では、ITフリーランスを対象にしている特別加入団体は下記のITフリーランス支援機構全国労災センターだけのようです(見落としていたらごめんなさい)。

ITフリーランス支援機構全国労災保険センター

PR times のリリースもありました。

【ITフリーランスの労災特別加入】窓口団体設立と申し込み受付開始のお知らせ|一般社団法人 ITフリーランス支援機構のプレスリリース

本当は、いくつかの特別加入団体を比較してからどこにするか決めたかったんです。

が、昨年この話題を知ってからいろいろとみていても、なかなか特別加入団体が増えないようでしたので、とりあえず加入することにしました(若干の手数料の差はあるでしょうが、保険そのものは国が行うのでどこも大差ないだろうと割り切りました)。

実際の加入手続きは、いたって簡単で、トップ画面にある『お申し込みの流れ』にそって必要事項を入力すれば完了です。ただ、申し込み時には、メールアドレスと免許証等の証明書類のアップロードが必要でした。

ちなみに、給付基礎日額は、特別加入の場合は自己申告ですが金額が大きくなると保険料も高くなるので自分で適切な額を決めるのがポイントですね。参考までに、今回は、年間の売上額ではなく、経費を除いた所得額で決めてみました。

労災に興味のある方は調べてみるといいかと思います。

労災の特別加入について

実は、上記の加入手続きをする前に、労災保険についてあれこれ見ていたら、下記の厚労省のページに行きついて、ここで特別加入というものが何種類かあることに気づきました。

労災保険への特別加入 |厚生労働省

このページからすると、

  • 中小事業主等
  • 一人親方その他の自営業者
  • 特定作業従事者
  • 海外派遣者

の4つがあるようです。

文字ばっかりで嫌になったのですが、上記ページの『特別加入制度のしおり』というのを順次読んでいくと、冒頭にあげたITフリーランスが労災に加入できるというのは、3つ目の『特定作業従事者』というのに該当するようです(『特定作業従事者』のしおりのPDFの p.7 に記載されています)。

でも、よくわからないのが、個人事業主として活動している場合、一つ目の『中小事業主等』にも該当するのか?という点でした。 もし、そうなら、独立以来勘違いをしていたことになります。

改めて考えてみると、『ITフリーランス』という用語の指す範囲も、よくわかりませんしね。

諦めて、『中小事業者等』のほうのしおりを、もうちょっと詳しく調べてみると、p.5に

(ご注意)

1 業務災害または通勤災害が発生した後に変更届を提出されても、すでに発生した災害の給付には反映されません。

2 1年間に労働者を使用する日数が100日未満の場合は、中小事業主等としての特別加入はできません。

なお、この場合であっても、一人親方等及び特定作業従事者の加入要件を満たす場合には、一人親方等及び特定作業従事者として加入することができます。

とありました。

つまり、『中小事業主等』のほうは、年間100日以上誰かを雇っている場合に該当するようで、一人でやってる場合やアルバイトなどをお願いしても年間100日未満であれば、こちらの特別加入の制度の対象外になるということのようです。

めっちゃ、ややこしい・・・

で、この従業員を雇っていないIT系の独立してる人(雇われてない人ですね、フリーランスと呼んだり、個人事業主と考えたり)だと、今までは特別加入することができなかったのが、2021年9月から対象業種に追加されたということになるようです。なるほど。

もし、従業員を雇うようになったら?

そうなると、次に疑問になったのが、『労災加入後、もしも年間で100日以上、誰かを雇うになったときって、どうなるんだろうか?』という点です。

こちらも気になるので調べてみると、労災保険の種類を切り替える必要があるようです。

一人親方が従業員を雇ったときは労災保険の切替が必要になるの? - 東京労災一人親方部会

上記記事は、一人親方の場合について書いていますが、下記のリンク先の分類を見ると、一人親方と特定作業従事者(今回のITフリーランスはこれです)は同じ『第二種特別加入』という枠になるようです。

労災保険の特別加入制度について【労働保険徴収課】

あくまで推測ですが、一人親方と特定作業従事者は同じ第二種特別加入なので、手続き的には、これに準じることになるのではないかと思います。もし、必要が生じたら改めて調べてみることにして、労災について調べるのはとりあえずこのへんにしておきます。

労災保険に入ろうと思った理由(2022/1/11 追記)

IT系のフリーランスが労災に入るメリット何ですか?と聞かれたので、自分なりに思う理由を挙げておきます。

  1. 打ち合わせなどの移動中の事故などへの備え
  2. 業務中のケガで仕事を休んだ場合の休業補償がある

一つ目ですが、仕事を行っているこの辺(三重県伊勢市)は田舎なので、移動手段は基本的に車です。事故を起こした/もらった際に、車の保険でカバーできる場合もあるけど、労災のほうがいいケースもあるかと思います。

また、病院の費用という意味であれば、会社員とは異なりフリーランスの場合、健康保険(国民健康保険)を使うこともできるので、労災は無理に入らなくてもいいかもしれません(下記の記事などを参照)。

ただ、労災だと治療費は全額支払ってもらえますが、健康保険は自己負担額が 3 割なので、そのあたりを労災の掛け金と比較してどうとらえるかになると思います。

二つ目ですが、個人的にはこちらの休業補償のほうが大きいかなと思います。以前、労災が使えないと知ったときに、民間の休業補償(もしくは類似)の保険を調べたのですが、掛け金が結構高くて断念した覚えがあります。

もっとも、休業補償があるとはいえ、労災の場合は 3 日目までは給付が出ず、 4 日目からの給付になります。また、業務外のケガや病気だと、労災の休業補償は使えないので、単にプライベートでケガをしたような場合はやっぱり休業補償はないです。そのあたりも気になるならば、やはり民間の休業補償の保険への加入も検討したほうがいいかもしれません。

まとめると、私が労災への加入を選択したのは、すべてのケースをカバーするには不十分だけど、それなりの掛け金で、業務中に限りますがある程度の保証を得られる、という理由になりますかね。

ま、月日が経つと考え方も変わると思いますが、その時はまた見直したいと思います(今回加入した労災は年度単位で更新していくので、気軽に止めれるとも思っています)。

まとめ

法律関係が絡むと、コーディング以上にややこしいことになりますね。 でも、独立しているなら自分の身は自分で守んないといけないので、まだ入っていない人は一度検討してみるのがいいんじゃないでしょうか?