プログラマーのメモ書き

伊勢在住のプログラマーが気になることを気ままにメモったブログです

Excel の右クリックメニューへのメニュー追加でトラブル

先日、お客様から普段使ってるPCでトラブルがあったので予備のノートPCに変えたら、Excelで右クリックメニューに追加しているはずのメニューが表示されなくなった、と連絡がきました(マクロでメニューの追加表示処理を行っているファイルになります)。

最初は、ファイルが壊れたか?と思ってファイルを送ってもらってこちらで試しても問題なく動作します。

じゃあ、環境が変わったのだから、Excelのマクロ周りの設定かな?と思って、そちらも確認してもらっても、こんな感じに

『警告を表示してすべてのマクロを無効にする』が選ばれていました。おまけに、ファイルを開いた際に黄色の警告バーで『マクロを有効にする』を押した覚えもあるとのことでした。

という感じで、どうなってんの?と、ちょっとはまってしまったので、顛末をメモにして残しておきます。

調査

まずは、何が起きているか調査しました。ネットをあさってみると、割とすぐ、似たような現象に触れている記事を見つけることができました。

「追加したはずの右クリックメニューが表示されない」事件 - Infomentのブログ ~Excel VBA奮闘記~

これによると、改ページプレビューの場合、右クリックメニューが表示されないことがある、とのことでした。でも、問題が起きてるPCで開いているのは、『標準』ビューだしなー、と思って、もうちょっと記事を追いかけてみると、

「追加したはずの右クリックメニューが表示されない事件」の真相 ① - Infomentのブログ ~Excel VBA奮闘記~

とあります。

CommandBars に 『Cell』の名前を持つオブジェクトが複数ある、とあります。

まさかと思って、問題が起きているPCでの挙動をよく見てみると、『標準』ビューでは右クリックメニューの追加メニューが表示されていないのですが、『改ページプレビュー』で右クリックすると、見事に追加メニューが表示されていました。

ああ、これですね。 どうも、CommandBarsのオブジェクトの並びがExcelによって変わっているようです(問題が起きているノートと問題がないPCのExcelのバージョンは全く同じでしたので、バージョン以外で何が影響しているかまでは分かりませんでした)。

対応策

原因が分かってしまえば、あとは簡単です。 今回の場合は、どちらのビューの場合にも右クリックメニューを表示させれば問題ないはずです。

ということで、 ThisWorkbook に

Private Function listupCommandBars() As Collection

    Dim lst As Collection
    Set lst = New Collection
    
    ' 指定の名前を持つコマンドバーをリストアップ
    Dim cmdbar As CommandBar
    For Each cmdbar In Application.CommandBars
    
        If cmdbar.Name = "Cell" Then
            lst.add cmdbar
        End If
    Next

    Set listupCommandBars = lst
End Function


' コンテキストメニューの追加
Public Sub addContextMenu()

    Dim lst As Collection
    Set lst = listupCommandBars
    
    Dim cmdbar As CommandBar
    For Each cmdbar In lst
        addContextMenuOnCmdbar cmdbar
    Next
    
End Sub
Private Sub addContextMenuOnCmdbar(ByRef cmdbar As CommandBar)

    Dim ctx_menu As CommandBarControl
    
    Set ctx_menu = cmdbar.Controls.add(Type:=msoControlButton, temporary:=True)

    With ctx_menu
        .Caption = "テスト"
        .OnAction = callbackMethodTest
        .BeginGroup = True
    End With
End Sub

' コンテキストメニューの削除
Public Sub removeContextMenu()

    Dim lst As Collection
    Set lst = listupCommandBars
    
    Dim cmdbar As CommandBar
    For Each cmdbar In lst
        removeContextMenuOnCmdbar cmdbar
    Next

End Sub
Private Sub removeContextMenuOnCmdbar(ByRef cmdbar As CommandBar)
    ' コンテキストメニュー未登録時にはエラーが発生するので回避できるようにする
    On Error Resume Next
    cmdbar.Controls( "テスト").Delete
    On Error GoTo 0
End Sub

という感じで、右クリックメニュー追加・削除用の処理を書いておいて、実際に右クリックメニューを追加したいワークシート側で

Option Explicit

' ワークシートがフォーカスを失ったら、追加したメニューを取り除く
Private Sub Worksheet_Deactivate()
    'Debug.Print "worksheet.deactivate called"
    ThisWorkbook.removeContextMenu
End Sub

' コンテキストメニューの追加
'   ワークシート上で右クリックすると、メニューが追加されて表示される
'
Private Sub Worksheet_BeforeRightClick(ByVal target As Range, Cancel As Boolean)
    ThisWorkbook.removeContextMenu
    ThisWorkbook.addContextMenu
End Sub

こんな感じにして、対応しました。

まとめ

このマクロ、細かい修正はあれこれ手を入れていますが、おおもとの部分は結構前に作ったはずです。それでも、つい最近までこんな問題があることに気が付きませんでした。Excel、怖いな。

Hugo で一覧ページを表示しない方法

Google Play で公開している避難所検索@伊勢ですが、ほそぼそとメンテナンスしています。

先日、Play Console を見ていたら、まだプライバシーポリシーを追加していなかったことに気づいたので、仕事が一段落したタイミングでプライバシーポリシーを追加しました。インターネット上にプライバシーポリシーのページを作って、そのURLを Play Console で指定するだけなのでそんなにややこしい話でもないはずです。

ということで、避難所検索@伊勢のサポートページに、サクッと追加しようと思いきや、意外と手間取ってしまいました。なので、その顛末をメモにしておきます。

避難所検索@伊勢のサポートページについて

森ソフトのWebサイトは Hugo で運用しており、その中の一つとして、避難所検索@伊勢のサポートページがあります。このページは、

サーバー名/escape/

で公開しており、 Hugo のディレクトリ構成は下記のようになっています。

content
├── about.md
├── contact.md
├── escape
│   ├── images
│   │   └── google-play-badge.png
│   └── index.md
├── maptile.md
└── news
    ├── 20180122.md

escape フォルダが、こちらの記事で少し触れた Leaf Bundle になっている形です(index.md ファイルとともに、画像ファイルを置いています)。

これに対して、プライバシーポリシーのページを

サーバー名/escape/privacypolicy/

のような形で追加したいと考えました。

問題

ところが、 content/escape のフォルダは Leaf Bundle のため、単純に別記事の .md ファイルを追加しても、記事として公開されません。 また、もし、 content/escape のフォルダを Branch Bundle に変更すると、複数記事を持つことができるのですが、記事一覧のリストページが生成されてしまいます (url も『 BrachBundle のフォルダ名/記事のファイル名』の形式になってしまいちょっと冗長です)。

なので、どう対応すればよいのか?ということで悩んでしまいました。

解決策

いろいろと試したところ、今回の結論としては、 Branch Bundle に変更して、リストページを自動的に生成させないようにすることで、対応しました(もっといい解決方法があるかもしれませんが、その辺は Hugo に詳しい方にお願いしたいと思います)。

以下で、実際に設定した内容について示したいと思います。

headless 設定について

Leaf Bundle だと、 Front matter に

headless: true

を追加すると、その Leaf Bundle を生成しないようにできるようです(これを Headless Bundle と呼ぶようです)。

実際、適当な Leaf Bundle を作って試してみると、 Leaf Bundle は headless になって、その URL でなにも表示されなくなります。

これと同じことが、 Branch Bundle でできれば、リストページが作成されなくなると思ったのですが、残念ながら Branch Bundle の場合は Front Matter に headless を追加しても普通にリストページが表示されました( headless は Leaf Bundle でのみ有効なようです)。

これだと困るので調べていくと、 Branch Bundle でリストページを生成しない方法がありました。

_build オプション

こちらの記事

How to disable list page only? - support - HUGO

に紹介されているように、Front Matter に _build オプションを追加すると、指定したページを生成しなくなるそうです。

ということで、 escape フォルダにある index.md を _index.md に変更し( Branch Bundle に変更し)、このファイルの Front Matter を下記のようにすると

---
title: "escape branch bundle"
date: 2021-05-31T22:40:00+09:00
_build:
  list: never
  render: never
  publishResources : false
---

このURL(サーバー名/escape/)でアクセスしても何も表示されません(404とかが返るのではなく、空白のページになります)。

できましたね。ということで、これでリストページを抑制することができれば、なんとかなりそうです。

URL を割り振りなおし

Hugo の各記事は Front matter の指定がなければディレクトリ構成から URL が決まります。一方、 Front Matter に url 変数を指定することでその指定した URL で記事を表示させることができます。

ということで、いままでの避難所検索@伊勢の説明ページを改めて、 content/escape/escape.md として保存し、

サーバー名/escape/

でアクセスできるように url 変数を設定します。

---
title: "避難所検索@伊勢 サポートページ"
date: 2021-05-24T10:35:00+09:00
url: "/escape/"
---

さきほどの _build オプションでリストページの生成を抑制していますが、抑制したものと同じ URL を指定しても問題なく表示されました。

レイアウトファイルを切り替え

さて、これで問題ないかと思ったのですが、現在のテーマの場合、リストページ以下の記事の表示と通常の記事では若干レイアウトが異なっています。

リストページ以下の記事の場合

通常の記事の場合

記事の右上に、日付があったり、記事の右側に検索窓があったりと微妙に異なっています。

上記で作成したプライバシーポリシーのページも、 Branch Bundle 以下にあるため、前者のレイアウトになっています。

このままでもいいんですが、やっぱり他とデザイン的に合わせたいので、これを通常の記事用のレイアウトを使うように変更しておきます。

Front Matter に layout 変数を指定するとレイアウトファイルを指定できるそうです。別の方法として、表示対象ページの Content Type を指定することで、結果的に適用するレイアウトファイルを切り替えることもできるようです。

今回は、一部変更した特別なレイアウトファイルを指定するのではなく、通常の記事のレイアウトを適用したいだけなので、後者の方法を採用しました。

具体的な設定方法

いま使っているテーマ(universal)を見ると layouts フォルダ以下に page というがあり、そちらに single.html というファイルがあります。

─ layouts
  ├── 404.html
  ├── _default
  │   ├── list.html
  │   └── single.html
  ├── archetypes
  │   └── default.md
  ├── index.html
  ├── page
  │   └── single.html
  └── partials
      ├── breadcrumbs.html

このファイルは、レイアウトファイルの探索順の type の説明

Type

Is value of type if set in front matter, else it is the name of the root section (e.g. “blog”). It will always have a value, so if not set, the value is “page”.

と書かれている場合の "page" に対応していると思われます(とはいえ、 layouts フォルダ以下のフォルダ名に関するドキュメントを見つけられなかったので、あくまでも推測です)。つまり、type指定がなく、かつセクション以下にない、通常の記事に対応したレイアウトファイルになります。

一方、 Branch Bundle 以下の記事など、セクション内の記事は上記の説明より type がセクション名になるので、こちらではなく _default/single.html を使うと思われます。

ということで、現状のままだと、この escape Branch Bundle は escape セクションとして扱われるので、 type の値もセクション名( escape )になり、検索窓付のレイアウトファイルが適用されることになっていそうです。

なので、Front Matter で type を page にすることで、通常の記事のレイアウトファイルを適用することができそうです。

実際に Front Matter に設定して試してみると、うまくいきました。

---
title: "避難所検索@伊勢 サポートページ"
date: 2021-05-24T10:35:00+09:00
url: "/escape/"
type: "page"
---

同様に、プライバシーポリシーの記事の Front Matter にも type を設定して、想定のように表示されるようにします。

---
title: "避難所検索@伊勢 プライバシーポリシー"
date: 2021-05-31T16:20:00+09:00
type: "page"
---

(こちらは url はデフォルトの値でよいので指定していません)

まとめ

一応、上記の設定でうまく表示することができました。使い始めは簡単なのですが、ちょっと手を加えようとすると英文の記事をあれこれ調べないといけないのがちょっと面倒ですね。もっと、日本語ドキュメントが増えてほしいなー。

Google Apps Script 新エディターでのデプロイについて

細々ですが、 Google Apps Script を使っています。 GAS でスクリプトを組んで、定期的に実行していたのですが、先日エラーが発生しました。

大した問題ではなかったので、簡単に修正したところまではよかったのですが、いざデプロイしようとおもったら、以前のエディタとちょっと違っていたので戸惑ってしまいました。

ということで、自分用のメモとして、デプロイ方法についてまとめておきます。

新エディタについて

改めて調べてみると、新エディタは 2020年12月 にリリースされているようです。

いろいろと変更点はあるようです。場合によっては新エディタだと困るケースもありそうですが、今回の私の場合は特に問題なかったです。変更点については、ネットで調べるとあれこれ出てきます。例えば、下記などをご参照ください。

Google Apps Script の新しい IDE の機能、変更点まとめ - Qiita

旧エディタでのデプロイについて

私が行っていたデプロイ方法はこんな感じでした。

  1. リリースしたい内容を保存
  2. メニューの『ファイル』->『版を管理』を選択
  3. バージョンを作成
  4. メニューの『公開』->『マニフェストから配置』を選択
  5. デプロイ画面で『Create』を選択し、発行したバージョン等を設定し、最後に『Save』ボタンを押す
  6. メニューの『編集』->『現在のプロジェクトのトリガー』を選択し、作成したデプロイに対してトリガーを設定

このようにして、トリガーで自動的に実行させていました。

新エディタでのデプロイについて

新エディタで修正後、エディタ画面の右上に『デプロイ』と書かれたボタンがあるので、これをクリックすると、下記のようなメニューが表示されます。

ここから、『新しいデプロイ』を選択すると、

のような画面が表示されます。『デプロイタイプを選択してください』とあるので、左側の『種類の選択』の歯車アイコンをクリックすると、

のようにメニューが表示されます。

しかし、ここには旧エディタにあった『マニフェストから配置』に対応するものが見当たりません。 『ライブラリ』以外のメニュー(ウェブアプリ、実行可能API、アドオン)は旧エディタにもあったものです。

なので、『マニフェストから配置』が『ライブラリ』に対応しているようにも思えますが、ライブラリというと作成して他のプロジェクト等で共有するというイメージがあるので、微妙に違っているようにも思われます。 このため、これどうしたらいいんだろうか?と小一時間ほど悩んだんですが、新エディタで『デプロイを管理』を選び、既存のデプロイを見てみると、

のように『ライブラリ』のところにURLが記載されています。

ということで、やはり、旧エディタの『マニフェストから配置』は、新エディタの『ライブラリ』としてデプロイすることに該当するんじゃないかな?と思われます。

一応、上記の推測を元に、実際に試してみると、特に問題も発生せずにデプロイできました。新たにデプロイしたものに、トリガーを設定したものも、問題なく実行できました。

分かってみれば簡単なことで、ライブラリを選択すればよかったようです(ライブラリ選択時に画面に表示される説明をよく読むと、プロジェクトを共有しないと結局他のユーザーから使えない旨のことが書かれてました)。

にしても対応がわかりにくいですよ > Google さん