プログラマーのメモ書き

伊勢在住のプログラマーが気になることを気ままにメモったブログです

E2D3 で地図を描いてみた

私も運営に参加している アーバンデータチャレンジ(UDC)三重拠点のイベント で、データの可視化ツールの紹介ということで E2D3 について触れることになりました。 もっとも、話すのは私じゃなくて、E2D3 をよく知ってる方なんですが、せっかくなので、これきっかけで E2D3 を使ってみることにしました。

実際試してみると、E2D3 自体の使いかたは全然難しくなくて、Excel 2013 以降または Excel Online (無料で使える機能限定のオンライン版の Excel)のアドインとして利用することができます。 興味のある方は Excel 2013の場合の説明Excel Online の場合の説明 をもとに試してみてください。

いくつもかっこいいグラフを書くためのテンプレートが用意されています。その中に地図上の人口などを表示してくれるものがありました。

お、これはいいね!

とおもいつつ、データをいろいろと触っても変わるのは、地図で表示される中身であって、地図そのものを変える方法がわかりません。

ということで、どうやれば E2D3 で新しい地図を描くことができるのか?ということについて試行錯誤したので、メモにまとめておきます。

ちなみに、今回試したのはいろいろと事情があり、

  • lubuntu 14.04
  • Firefox
  • Excel Online

という環境になっています。最近の ubuntu とか Windows とかだともうちょっと変わってくると思いますが、大筋は変わらないと思いますので、そのへんは適宜読み替えてください。

作業の進め方

まずは、どうやって E2D3 で地図を表示できるのか?ということを調べました。 結論からいうと、既存の地図ではなく、任意の地域の地図を表示するためにはその地図用のグラフのテンプレートを作成する必要があるようです。いきなりハードルが上がりますね。

で、この際にずいぶんと参考になったのは、

id:ueponx さんの

www.slideshare.net

の資料でした。この資料の p.35 あたり以降がまさに今回やりたいことです。 ざっと目を通すと、地図のデータのフォーマットを何度か変換する必要があります。この途中で QGIS というGISソフトウェアを使っているようです。

GIS 。興味はあるものの、手が出せていないモノの一つです。

素直にインストールして、素直に使えば、きっといいモノなんだろうな、よく名前聞くし。 でも、データフォーマットを変換するだけのためにわざわざ GIS をインストールするというのがどうも気に入りません。

ということで、今回はこのフォーマット変換の部分をコマンドラインツールでなんとかできないかとやってみました。

以下、自分がやった際の手順を思い出しながら、まとめていきます。

地図データのダウンロード

地図データのダウンロードを先にやってしまいます。

今回表示してみようと思うのは、伊勢市の地図です。できれば、町単位ぐらいに分割しているやつがいいですね。 データの取得元は id:ueponx さんの資料にもあった、政府統計の総合窓口 とある e-stat を使いました。

こちらのサイトのトップページにある 『地図で見る』の『地図で見る統計(統計GIS)』を選択し、表示されたページ内にある『境界データダウンロード』というところをクリックします。 さらに『小地域』『国勢調査』『2015年』(この時点での最新が2015年)と進んでいき、『小地域(町丁・字等別)』を選択します。 最終的には、下記のような画面が表示されます。

f:id:junichim:20181021223635p:plain

データフォーマットを選ぶようになっているので、『世界測地系緯度経度 Shape形式』を選択します。 すると、県名の一覧がでてくるので、『三重県』続いて『伊勢市』を選択すると、ようやくデータがダウンロードできました。

zipファイルを解凍しておきます。

(参考)

E2D3で熊本と大分の地図を使えるようにするよ!その1(地図編) - てくてくめもめも

フォーマット変換につかうツール類のインストール

今回のフォーマット変換は

Shape -> geojson -> topojson

という流れになります。

これを実現するために次のツールが必要になります。

node.js/nmp は下2つのツールがnode.js製のため必要になります。順次インストールしていきます。

node.js

最終的な topojson 形式に変換するツール topojson が node.js のアプリなので、node.jsのインストールをしておきます。

mor@lenovo:~/workspace/e2d3$ sudo apt-get update
mor@lenovo:~/workspace/e2d3$ sudo apt-get install npm

node で呼び出せるようにします。

mor@lenovo:~/workspace/e2d3$ sudo update-alternatives --install /usr/bin/node node /usr/bin/nodejs 10

(参考)

GIS - GeoJSON を TopoJSON に変換! - mk-mode BLOG

shapefile

Shapeファイル形式から geojson 形式に変換するツールが shapefile になります。

mor@lenovo:~/workspace/e2d3$ sudo npm install -g shapefile

(参考)

TopoJSON v2, v3の使い方 -コマンドライン編- - Qiita

topojson

geojson 形式から topojson 形式に変換するためのツールが topojson になります。

mor@lenovo:~/workspace/e2d3$ sudo npm install -g topojson
SSL エラーへの対応

実は、上記のインストール時に、npm install で SSL関連のエラーが出てしまいました。 取り急ぎ、下記の記事などを参考に、SSL鍵の検証を無効にして対応しました。

mor@lenovo:~/workspace/e2d3$ npm config set strict-ssl false
mor@lenovo:~/workspace/e2d3$ sudo npm install -g xxxxx
mor@lenovo:~/workspace/e2d3$ npm config set strict-ssl true

npm install で SSL Error になった時の対処法。 - YuG1224 blog

node.js のアップデート

困ったことに、Ubuntu 14.04 の apt-get でインストールした node.js は結構古いバージョンです。 (apt-get でインストールした node.js のままで、実行すると Promise がない、とエラーになりました。) なので、新しめの node.js に切り替えておきます。

mor@lenovo:~/workspace/e2d3$ sudo npm cache clean
mor@lenovo:~/workspace/e2d3$ sudo npm install -g n

最新版のインストール

mor@lenovo:~/workspace/e2d3$ sudo n stable

でも、これだとエラーになったため、一つ前のLTSにします

mor@lenovo:~/workspace/e2d3$ sudo n 8.12.0

インストール出来たら、不要パッケージを削除します。

mor@lenovo:~/workspace/e2d3$ sudo apt-get purge nodejs npm

最後に正しく呼び出せるようにします。

mor@lenovo:~/workspace/e2d3$ sudo update-alternatives --removeall node
mor@lenovo:~/workspace/e2d3$ sudo ln -sf /usr/local/bin/node /usr/bin/node

(参考)

Ubuntuに最新のNode.jsを難なくインストールする - Qiita

フォーマット変換

準備ができたら、フォーマットの変換をしてみます。h27ka24203.shp がダウンロードした zip ファイルを解凍してできたファイルです。

mor@lenovo:~/workspace/e2d3$ shp2json --encoding "Shift-JIS" h27ka24203.shp | geo2topo -q 1e6 > output.topojson

エラーが表示されずに無事に変換できました!

ちなみに、前述のスライドの p.67 とは使ってる topojson のコマンドが違います。バージョンが違うためのようです。こちらのサイトを参考にしました。 なお、今回使ったバージョンだとスライド中で述べている属性名の変更オプションが無いようでした(見つけられなかっただけかも)。あとでコマンドラインで対応します。

E2D3 のテンプレートの作成

さて、地図用の topojson のファイルができたので、前述のスライド に従って、既存のテンプレートをまねて作ってみます。

まずはGitHub より e2d3-contrib を clone します。

mor@lenovo:~/workspace/e2d3/test$ git clone https://github.com/e2d3/e2d3-contrib.git

クローンしたフォルダを見ると、たくさんのディレクトリが存在しています。それぞれのディレクトリが一つのテンプレートに対応しているようです。

コピーしたいフォルダを選びます。今回は前述のスライドに従って、 nagoya-color をコピーして ise-color を作成します。

mor@lenovo:~/workspace/e2d3/test/e2d3-contrib$ cp -p -r nagoya-color ise-color

なお、E2D3のテンプレートの構造については、データ可視化テンプレートの構成 に詳しく載っていますので、ご参考にしてください。

main.js の修正

main.js をいくつか修正します。

placename の修正

main.js を編集して placeName の nagoya を ise に変更します。

//var placeName = 'nagoya';
var placeName = 'ise';
ise.topojson の指定

main.js のファイルが参照している地図データ (topojson フォーマットのファイル)が nagoya.topojson というものです。 伊勢市の地図なのに nagoya と入るのは気持ち悪いので、これを変更します。

さきほど変換したファイルをこのディレクトリにコピーして、

mor@lenovo:~/workspace/e2d3/test/e2d3-contrib/ise-color$ cp -p ../../../output.topojson ise.topojson

main.js を編集して nagoya.topojson を ise.topojson に変更します。

//d3.json(baseUrl + "/nagoya.topojson", function(error, o) {
d3.json(baseUrl + "/ise.topojson", function(error, o) {
  topoSelection = mapLayer.selectAll(".states")
    .data(topojson.feature(o, o.objects[placeName]).features)
    .enter().append("path")
    .attr("stroke", "gray")
    .attr("stroke-width", "0.5")
    .attr("id", function(d) {
      return "state_" + d.properties.id;
    })
    .attr("class", 'states')
    .attr("fill", "#fff")
    .attr("d", path);
  topo = o;

  reload();
});
表示する緯度経度の修正

元々名古屋の地図なので、表示する地図の中心の緯度経度も名古屋のものです。

なので、これを伊勢市のものに変更します。

//var projection = d3.geo.mercator()
//  .center([136.95,35.15])
//  .scale(Math.min(width, height) * 150)
//  .translate([width / 2, height / 2]);
var projection = d3.geo.mercator()
  .center([136.71,34.49])
  .scale(Math.min(width, height) * 150)
  .translate([width / 2, height / 2]);

伊勢市の中心地としては市役所を選びます。伊勢市役所の緯度経度は、国土地理院の地理院地図から取得しました。

f:id:junichim:20181026135926p:plain

なお、地理院地図の緯度経度に関する情報は下記を参照してください。

地理院地図|地理院地図で得られる値等について

ise.topojson の修正

geojson から topojson に変換した際に、属性名の変換ができていなかったので、それを修正します。

mor@lenovo:~/workspace/e2d3/test/e2d3-contrib/ise-color$ cp -p ise.topojson ise.topojson.org
mor@lenovo:~/workspace/e2d3/test/e2d3-contrib/ise-color$ sed 's/KEN_NAME/prefecture/g' ise.topojson.org | sed 's/GST_NAME/city/g' | sed 's/MOJI/ward/g' > ise.topojson

あと、ise.topojson の先頭の objects に名前をつけます。 元々は、

{"type":"Topology","objects":{"-":{"type":

だったのを、

{"type":"Topology","objects":{"ise":{"type":

のようにします。この名前がさきほどの main.js の placeName で参照されるため、これが対応していないと何も表示されません。

表示

さて、いよいよ表示してみましょう。

作成したテンプレートを表示するには、開発環境が必要になります。 データ可視化テンプレート開発の為の準備 にあるように、 e2d3 コマンドをインストールします。

mor@lenovo:~/workspace/e2d3$ sudo npm install -g e2d3

問題なくインストール出来たら、 e2d3-contrib のディレクトリに移動して、 e2d3 コマンドを実行します。

mor@lenovo:~/workspace/e2d3$ cd test/e2d3-contrib
mor@lenovo:~/workspace/e2d3/test/e2d3-contrib$ e2d3

開発用Webサーバーが立ち上がります。画面に、

mor@lenovo:~/workspace/e2d3/test/e2d3-contrib$ e2d3
[E2D3] Publish /home/mor/workspace/e2d3/test/e2d3-contrib
[E2D3] Webserver started at http://locahost:8000
[E2D3] Webserver(SSL) started at https://localhost:8443

のように表示されるので、ブラウザで localhost:8000 にアクセスしてください(場合によっては Web ブラウザが自動的に表示されます)。

最初に表示されると、Excel Online で見たようなテンプレートの選択画面がブラウザに表示されています。

f:id:junichim:20181026142505p:plain

ise-color は一番下の uncategorized にあります。 ここをみると、

f:id:junichim:20181026142527p:plain

e2d3/e2d3-contrib/ise-color と表示されているテンプレートがあります(テンプレートの画像は nagoya-color そのもののため、画像は名古屋になっています)。

f:id:junichim:20181026142620p:plain

それを選んで『可視化する』を押すと

f:id:junichim:20181026142637p:plain

真っ黒ですが、伊勢市の地図が表示されました!

Excel Online で表示する場合

上記ではブラウザで表示しましたが、 E2D3 なんでやっぱりExcelで見たい!となるかもしれません。

Excel Online で動作を確認する に従って操作すれば、Excel Online 上で確認ができます。 こんな感じですね。

f:id:junichim:20181026142651p:plain

同様に Excel2013で動作を確認する に従って操作することで、 Excel 2013 上での確認ができるそうです(こちらは試していないです)。

まとめ

E2D3 使うだけなら簡単に使えて便利、便利って感じでしたが、地図を新たに表示させようと思ったら結構大変でした。でも、これで E2D3 で地図を表示することができました。

今回は地図(町などの境界線のデータ)を表示しただけですが、インフォグラフィックスでよくあるように、地図上に人口等を色付けして表示するには、 data.csv を編集する必要があります。 こちらは、また別記事に作業をまとめたいと思います。

(2018/10/27 追記)

データの表示について別記事にまとめました。

blog.mori-soft.com

RAID1 に Windows 10 をインストール

先日、いきなりPCのSSDがお亡くなりになりました。 SSD は予兆なく亡くなるとは聞いていましたが、まさか体験するとは思いもよりませんでした。

普段から作業は NAS かサーバーのリポジトリにアップするんですが、たまたまローカルに残したままでした。 ちょうど、納品前ということもあり1日分の作業がなくなってしまい大騒ぎです。あーあ。

とりあえず、亡くなったSSDを取り出して、SATA<->USB 変換器を通してつないでみても、反応ありません。コントローラがいったかな?完全にダメなようです。 取り急ぎ、家に余っていたHDDをつないで、OSを再セットアップして、急場を乗り切りました。

ちょっと時間ができたので、改めて、OSを再セットアップしました。今度はシステム部分も RAID1 にしますよ! 古いマザーなんで需要あるかわかりませんが、一応メモに残しておきます。

ちなみに壊れたSSDは、 Samsung SSD 840 250GB 2.5インチ MZ-7TD250B/IT というやつでした。

Samsung SSD840ベーシックキット 250GB 2.5インチ 日本サムスン正規品 3年保証 MZ-7TD250B/IT

Samsung SSD840ベーシックキット 250GB 2.5インチ 日本サムスン正規品 3年保証 MZ-7TD250B/IT

使い始めて6年ちょっとというところですね。初SSDだったので、こんなもんなのかどうかが見えないですが、どうなんでしょうかね?

オンボードRAID

いま使っているPCは BTO で サイコム で買ったものです。ずいぶん古いものですが、調べてみるとこのマザーボード(ASROCK Z77 Pro4-M)のチップセットにはオンボードRAIDコントローラが乗っているとのことです。

www.asrock.com

一気にPC全体をリニューアルしようかとも考えたのですが、まだ十分使えるので、このRAIDコントローラにSSDをつないで、RAID1で運用することにします。

SSD の購入

最初にPCが壊れた際に、近所の電気屋さんと近郊の電気屋さんに電話かけまくったのですが、内蔵用のSSD売ってるところなんて、一軒もなかったです。 そりゃ、田舎ほど Amazon 頼りますわね。

で、選んだSSDは Crucial MX500 250GB です。選定理由は特になく、価格が手ごろだったのと、壊れた Samsug 以外というだけでした。

一緒に SATA ケーブルと 2.5インチ-> 3.5 インチ変換アダプタも買いました。

SSDの取り付け

ASROCK Z77 Pro4-M のRAID取扱説明書(PDFです)を見ると、ユーザーガイド(PDFです)を見ろ、とあります。で、ユーザーガイドを見ると、p.38 2.13 節に

オンボードRAIDを使うなら、SATA3_0 番と SATA3_1 番のコネクタにつないでくれ

といった旨の記述がありました(かなり意訳)。

ということで、当該するSATAのコネクタを調べて取り付けます。

UEFI のセットアップ

いまはもう BIOS ではなく、UEFIでセットアップします。 PCの電源を入れて、F2 キーを押してセットアップ画面に入ります。

Advanced を選んで、 Storage Configuration を選び、 SATA mode Selection で RAID を選んで、SATAモードを RAID にします。

f:id:junichim:20181016165614j:plain

で、保存してUEFIを終了です。

RAID 設定

UEFI の設定が終わり、再度PCが起動すると、Ctrl+Iを押して、RAID設定画面に入ります。 ここでは、ディスク全体を使って、RAID 1(ミラーリング)で構成します。 設定自体は難しくないので、すぐに終わりです。

Windows 10 のインストール

別のPCを使って、USBにWindowsのインストールメディアを焼いておきます。 これを、セットアップしたいPCにつないで、起動するとおもむろにインストーラが立ち上がります。 あとは、画面の指示に従って、毎度おなじみのインストール作業を行えばOKです。

起動してみましょう。 やっぱり、HDDに比べると格段に速いですね。

Intel Rapid Storage ドライバのインストール

Windows がインストールできれば、このまま使っても問題ないのですが、せっかくなので、 Intel Rapid Storage のドライバを入れてみます。 マザーボードが昔のやつのため、最新のドライバではすでにサポートされていませんでした。

こちらにある、 14.8.16.1063 のやつがサポートしているドライバの最後のもののようでしたので、これをインストールしておきます。

これがあると、Windows から RAID の状態を見ることができるので、

f:id:junichim:20181016171431p:plain

なにかと便利かなと思ってます。

余談

まあ、RAIDとはいえ、セットアップ自体は(時間はかかりますが)別段難しいところはありません(筐体のドライブベイ外すほうがよっぽど手間かかりました)。

今回は、 UEFI で SATA モードを RAID に変更しましたが、Windows のインストール後にここを変更しても、RAIDドライバがインストールされないということです。 RAID モードだけでなく、 IDE -> AHCI に変更したような場合も同様です。Windows のインストール時に入れられるそうです。

このため、最初に臨時で使ったHDDの中身をSSDにクローンして、Windowsのインストールを飛ばして、RAID にしようと思ったんですが、断念しました。 まあ、今回はHDDからクローンするといっても、ほぼインストール直後に近い状態だったので、そんなに痛手ではなかったんですけどね。

ちなみに世の中には、Windowsインストール後にRAID設定を行った方々もいるようなので、興味があれば試してみると面白いかもしれませんね。

AHCI→RAID設定と、Intel RSTドライバーいれてみた(ふたたび) | ぽぽづれ。

試してないので、うまくいくかわかりませんが・・・

くれぐれも故障にはお気を付けください。

ルータを NVR510 に買い換えました

先日、台風24号がやってきた際、自宅のあるあたりも停電になりました。夜の8時頃に停電になりましたが、幸い、翌朝7時頃には復旧しました。 『やれやれ。でも朝から仕事できるな』と思って、PCやサーバー類の動作確認を始めると何か変です。よくよく見てみると、PCやNASは問題なく起動しているのですが、インターネットにつながっていません.

なんだ?WAN側(NTTのフレッツ光)に障害でもあるのか?と思いつつ、自宅回線が使えないので、スマホで調べてみるけど、特に問題ないようです。 ますます不振に思って、ハブでも壊れたかと調べていき、一度、ルーターを再起動してつなぎなおさせるか、とやってみても問題が解消しません。

ん?なんか本格的に変だぞ?と思いつつ、あれこれ調べてみると、どうもルーターが怪しいです。一度電源を切り、入れなおしても状況が変わらず。ログインしようとしてもブラウザでつながらず。というよりも、ルータにあるDHCPサーバーからIPアドレスの割り当てができていないようです。

ちなみに、このルータは マイクロリサーチ研究所の MR-GL1000 です。

仕方ないな、とあきらめて工場設定にリセットしてみました。が、何も変わらず。 いよいよ、仕方ないなと思い、メーカーに電話してみました。症状を伝えると『ステータスランプの4番はどうなってますか?』とのこと。

f:id:junichim:20181008173809j:plain

こんな感じに消えていたので『消えてますよ』と伝えると、『それはルータの故障ですね。ステータスランプの4番は常に何なんらかの形(点灯、点滅、etc)で点いているので、消えっぱなしというのは故障です』という回答が返ってきました。

まじですか!?

購入後7年以上使っている旨伝えたら、いつ壊れてもおかしくないですよ、といのこと・・・。 残念ながら、停電のショック?でお亡くなりになったようです。

とはいえ、ネットにつながらないと仕事にならないので、急遽ルータを買い替えることになりました。 (壊れたルータは、修理するか否か迷ってます。別用途で必要になりそうなので、多分直して使うことになりそうです)

台風21号の停電の時にはなんともなかったのに、実に残念だ。 まあ、レアケースだと思うので、ルータの買い替えのあれこれを記念にメモっときます。

機種選定

ということで、急ぎでルータの機種選定をします。とはいうものの、実は、数か月後に事務所の引っ越しを考えており、一度 YAMAHA のルータを使いたいな、でも今のも動いてるしな、というのをモヤモヤ思っていたところでした。なので、渡りに船とばかりに、YAMAHA のルータを買うことにしました。

自分の環境で良さそうなのが、 NVR510RTX830 です。 どちらにしようか迷ったのですが、多分 RTX830 だと過剰かな?と思ったのと、後述するようにポートベースVLANがなくても良い状況になるので、ここはまずお手軽に NVR 510 を使ってみることにしました。

MR-GL1000 を購入した動機が、自宅で仕事をしていたため仕事用のネットワークと家の(プライベートの)ネットワークを分けたかったというものでした。この機種は、安価なのに、ポートベースVLANがあるので、ぴったりでした。 ですが、近々仕事場を自宅から外に出す予定のため、ポートベースVLANのない NVR510 でもいいかな?となりました。

ちなみに、 RTX830 だとポートベースVLANN(LAN分割)機能があります。仕事場環境が今のまま自宅と一緒なら、きっとこっちを選んだでしょうね。

購入

機種が決まれば購入です。余談ですが、初めてamazonのお急ぎ便で購入しました。頼んだ翌日にはルータが到着!

いや、これはくせになりそうですね。しかし、とはいえ、こんなに便利になっていいんだろうか?と気になってしまう小心者です。

で、ついでに開封式。

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f:id:junichim:20181008174857j:plain

前面と背面はこんな感じでした。

f:id:junichim:20181008174925j:plain

f:id:junichim:20181008174941j:plain

コンソールポートがついてたり、ログを外部メディア(SDカードやUSBメモリ)に保存したり、設定ファイルをメディアに保存してそれから起動出来たりと、こういう機能が充実しているのはうれしいですね。

設定

設定は附属のマニュアルを見つつ進めるとごくごく簡単にできました。なので、わざわざブログに書くほどでもないですが、何点か詰まったところだけ、書いておきます。

ユーザー追加

マニュアルの手順の最初のほうに、『(管理者)パスワードを設定する』とあるのですが、この機種は初期設定でユーザー名・パスワードともになしでログインできます。なので、ここの説明を読んだときに、ユーザー名を設定しないのにパスワードだけ設定するのか?と思い、ちょっと調べてから設定しようと思って後回しにしました。

調べてみると、ユーザーを追加できることが分かったので、ユーザーを追加してこの追加したユーザーを管理者にして、既存のユーザー(ユーザー名なしのユーザー)を無効にすればいいや、と考えました。

ということで、ユーザーを追加して『管理ユーザーへの昇格』にチェックを入れて、ユーザーを作成します。

これで、ログアウトして、再度ログインすれば管理者になるはず、と思いきや、このユーザーでログインしたら、ユーザー名の下に『一般ユーザー』と表示されます。おまけに今まで設定処理で使えていた機能が使えません。

f:id:junichim:20181008172028p:plain

なんか変だぞ、と思い調べてみると、その理由がわかることを書いている記事がありました。

分かりにくいYAMAHAのルーター: 赤カブのケンのブログ

どうも、YAMAHA のルーターは、個別のユーザーに対して、管理者パスワードを入力すると管理者権限をもらえるという形のようです。 ログインユーザーでログイン後に管理者パスワードを入れるのではなく、ログイン時に管理者パスワードを入力する、というのが分かりにくい要因のようです。 もちろん、個別のユーザーに対して『管理ユーザーへの昇格』の許可がなければ、管理者パスワードを入力しても管理者になれません。

なるほど、だから、設定マニュアルではユーザー名にはふれないで、管理者パスワードを設定しましょう、とだけ書いてあったんですね。

ユーザー設定

上記のような仕組み、ということを理解したら、ユーザー設定を次のようにします。

  • 管理者パスワード:設定します
  • ユーザー名なしのユーザー:『管理ユーザーに昇格』オプションを無効にします
  • 管理者となるユーザー:ユーザー名を指定し、『管理ユーザーに昇格』オプションを有効にします

こうすることで、ユーザー名なしのユーザーでは管理者にログインできなくなり、所定のユーザー名と管理者パスワードを使わないと管理者権限が得られないようになります。

あ、もし試すなら、作ったユーザー名で管理者になれることを確認してから、ユーザー名なしのユーザーの『管理ユーザーに昇格』を許可しないように変更してください。 一気に変更してしまい、パスワードのタイプミスなどで管理者ユーザーになれないなんてなったら、ひどい目にあいますよ。

ちなみに下記のマニュアルにはちゃんと載ってました。マニュアル読め、ってことですね。

Web GUI マニュアル

サーバー公開

NVR510のサーバー公開の方法が、最初ちょっとわかりにくかったです。 ですが、こちらもマニュアルをよく読むと設定例が載っています。

Web GUI マニュアル

これのとおり設定すると何の問題もなく設定できました。 参考までにここで使っている NAT ディスクプリターの説明へのリンクも載せておきます。

NATディスクリプター機能 概要

(参考) その他にもいくつか記事がありました。最初はちょっと分かりにくいようですね。

move0tofu.hatenablog.jp

tabikumo.com

ブザー設定

もう一つは余談みたいなもんです。最初に『かんたん設定』の『プロバイダー接続』から、プロバイダ情報を入力して接続しようとしました。

ですが、入力ミスのため接続できませんでした。だけならいいのですが、ブザーがずっとなりっぱなしになります。 焦りますね、これ。特に夜中に設定作業していたもんだから・・・

要は、初期状態だと接続失敗時にブザーがなる設定になっていたためでした。 ブザーがなるのはいいんですが、音を止める方法がよくわからなかったので、この点はなんとかしてほしいものです。

(結局、正しいアカウント情報を入力して、接続できたら、鳴りやみました)

まとめ

当面、これで運用してみて、問題なさそうなら新しい事務所でもこのルータを使っていこうと思います。

台風の影響がこんなところにも出るんだなとしみじみ実感した日々でした。